そして、同じ年の夏に再訪問し、息子のフィリッポさんと初めて会いました。商業的な事は全て彼が執り行っているそうで、5カ国語を操るインテリジェンスのある人でした。 まずは、ブルーナ家特製のびん詰め食品を試食させてもらうことにしました。これが実に美味しい。
アンチョビのペースト2種類は、普通に売っている調味料として使う物とは、ひと味もふた味も違う豊かな味です。ひと口で、入荷を決めました。それにマグロや、さばの柵をぜいたくに使ったオリーブオイル漬け、大ぶりの新鮮なアンチョビ、ツナ入りのトマトソース、乾燥トマトのペースト等々、すぐにでも持って帰りたい物と多く出合いました。全て地元の漁師料理や、家庭料理がベースになっています。
このあたりは昔、非常に貧しく、手元にある魚などをいかに美味しく食べられるか何世代にもわたって工夫されてきたレシピなのだそうです。ブルーナ家自体、先祖に海軍の軍人がおり、昔から海との関わりが深いせいか、海産物の扱いには目を見張る物があります。私も学生時代は船に乗り、漁師のアルバイトをしたものです。海に関わっている人達の、上手な魚の食べ方をたくさん見てきましたが、国は違えど通じるものがあると思いました。
息子のフィリッポさん(左)
さて、ふと目をやると先代ヴィンセンツォさんが山に行く準備万端で待っています。私達は話を切り上げて、あのオーガニックの畑に向かいました。道すがら見える景色は冬のそれと、あまり変わりません。オリーブは一年を通じて姿を変えないので、風景も季節によって変わりはしないとの事。言い換えれば、周りの景色に、いかに多くのオリーブの木が融け込んでいるかということなのでしょう。
真夏のオーガニック畑は、乾燥のために下草が枯れてしまって、冬より緑が少ないくらいです。今の時期オリーブは雨が降るのをじっと待って耐えているのだそうです。しっかり実はつけはじめていますが、皮が固く害虫がつかないようになっていました。今年はこの地も暑く害虫が少ないそうなので出来が楽しみとの事でした。

真夏のオーガニック畑は、からからに乾燥していました

「わかるか?」と聞かれております。ヴィンセンツォさんは、私達にとってオリーブの先生のようです

実りはじめたオリーブは雨をじっとまっています

枝を手にとって、オリーブの状態を丁寧に説明してくれました
ヴィンセンツォさんは、山に行くと実に活き活きします。この日は彼自慢の家庭菜園も見せてもらいました。ナスやトマトにズッキーニが実っています。もちろん全部がオーガニック栽培。丹誠込めて作られた野菜達はブルーナ家の食卓に上ります。

地元特産のトランペットの形をしたズッキーニ「トロンベッタ」