ご存じの方も多いと思いますが、トスカーナ州はワインの名産地です。キャンティ(Chianti)やブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(Brunello di Montalcino)、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ(Vino Nobile di Montepulciano)などを生産している醸造所が数多くあります。そして、彼らの多くはワインの他に、オリーブオイルも生産しています。オリーブオイルの収穫期は、ちょうどワインのすぐ後に来ますので、ワインのために募った人員をそのまま動員できるのも、オリーブオイルを生産する理由になっているようです。イタリアでは、高名なワインと同じラベルの貼られたオリーブオイルが、酒屋(エノテカ)などでよく売られています。
カミリアーノ社も例外でなく、本来はブルネッロ・ディ・モンタルチーノの生産者として地元で有名です。しかし年間のオイル生産量は少なくたったの3000本、味が良い上に希少な、ワイン工房の作ったこのオイルをぜひとも入荷したいと、カミリアーノ社へアポイントを申し入れました。2007年の2月に一度訪問を試みましたが、日程が折り合わず、同年の7月にはじめて訪れました。
カミリアーノ社へは、フィレンツェから南へ向かう高速道路に乗り、シエナを過ぎて更に南に進みます。ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ(フィレンツェ風ビーフステーキ)で有名なキアニーナ牛(真っ白な美しい牛です)の群れに出会ったりしながら、山深い丘陵地帯を進んで行くと、広大なブドウ畑が広がるモンテプルチアーノのエリアに入ります。その年は非常に暑い日が続き、まだ7月だというのにブドウは色づき始めていました。

色づき始めたモンテプルチアーノのブドウ
カミリアーノ、とは、社名であると同時に、地名なのだということで、地図を頼りに、カミリアーノ村を探します。地図上では、モンテプルチアーノから更に南西に位置するようです。途中に町もなく、看板もなく、対向車とも出会わない広大な農園の中の田舎道を、同乗していたジャンルッカのカンを頼りに進みます。通りがかったトラクターの運転手さんに道を聞き、ようやくカミリアーノ村への看板を発見、到着することができました。

見渡す限りのブドウ畑の中に突然あるカミリアーノ村への看板
カミリアーノは、村としての歴史は非常に古く、紀元前8世紀~紀元前4世紀ごろのエトルリア時代に、既に小さな農村として存在していたとされています。広大な領地を見下ろす小高い丘の上にあり、赤れんがで作られた古い家々、小さな教会、アーチ形の小道の美しい、とても小さな集落です。現在の人口は32人、みんな家族のように仲良く暮らしています。

古いれんが造りの家並みが美しいカミリアーノ村

カミリアーノ社の中庭です。塀の花型の紋章が、会社のロゴになっています