しかもオリーブの実は、全て手摘みで収穫し、収穫後7,8時間以内という、非常に鮮度が良い状態の間に搾油するそうです。収穫後7,8時間で搾油を終わらせるには、晩秋の頃、日の出と共に作業を始めなければなりません。それも手摘みですから、多くの人手が必要となるわけで、これを毎年守るのはたいへんな努力が必要です。この地はシエナやフィレンツェなどの都市圏から遠く離れているので、学生アルバイトなどが集まらず、人手の確保も大変なのだそうです。
さらに搾油時は、オイルを酸化させないようにコールドプレスという、温度管理された昔ながらの手法を用い、低温でゆっくり時間をかけて搾ります。こうして丁寧に作られたエクストラ・バージン・オリーブオイル「テッレ・ディ・シエナ」は、酸度0.3%という高い品質を誇っています。法的には、エクストラ・バージン・オリーブオイルの酸度を0.8%以下と定めていますから、テッレ・ディ・シエナがいかに酸度に気を遣っているか、お分かりいただけると思います。
この、素材にも、製法にも妥協をしない姿勢が、テッレ・ディ・シエナの強い個性と、高い品質の裏付けなのかもしれません。
ちなみに、カミリアーノ社がオイルに使用するオリーブは、「レッチーノleccino」・「フラントイオfrantoio」・「モライオロmoraiolo」・「コレッジオロcorreggiolo」の4品種。原産地保護呼称(Denominazione di Origine Protetta)で定められた規格のひとつ、Terre di Siena(テッレ・ディ・シエナ)は、シエナ県で作られ、使用するオリーブの種類は「フラントイオfrantoio」・「コレッジオロcorreggiolo」を主体とすること、酸度は0.5%以下。色合いは緑から黄色で、フルーティーな香りと辛み・苦みがあるのが特徴とされています(私の味覚では「苦み」は感じられませんが)。カミリアーノ社では、この規格されたオリーブの他に、「レッチーノleccino」と「モライオロmoraiolo」を使用することで、味に個性を出しているようです。
帰り際、当主のゲッツィさんにお会いしました。鷹のような鋭い目をした方です。気温45℃にもなろうというこの日、「今年は暑いですね。」と水を向けた私達に、さらりと「このあたりはいつもこんなものだよ」と彼は言います。寒暖の差が激しく、夏は非常に暑く乾燥していて風通しがよい、典型的な地中海性気候です。爽やかな風の通り抜ける自宅の庭から、広大な領地を眺めるゲッツィさんの厳しい目には、商品への強いこだわりが見てとれるようでした。

当主のゲッツィさん。自宅の庭からは、広大なカミリアーノ領が見渡せるそうだ

美しい花に彩られた庭の片隅には、昔ながらの石の搾油器があった

左からゲッツィ夫妻と、ファラブレッティさん
イタリアワインの名品、ブルネロの産地にカミリアーノ社はあります。見渡す限りのぶどう畑をひたすら進み、カミリアーノ村へ到着します。乾燥して温暖差の厳しい気候の中で、DOPテッレ・ディ・シエナは生まれます。

| 社名 | カミリアーノ |
| 所在地 | トスカーナ州 シエナ県 |
| 従業員数 | 55人 |
| 創業年 | 1957年 |
| 主な生産物 | ワイン、オリーブオイル |
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| エクストラ・バージン・オリーブオイル(DOP)「テッレ・ディ・シエナ」 |