マローニ社では、ウンブリア州、ラツィオ州、プーリア州などイタリア中南部のオリーブ農家数十軒から毎年サンプルを取り寄せ、その年の価格と品質のバランスが一番良い物を選んでオイルを生産しています。でも、マローニ社のあるモンテリッジョーニ(Monteriggioni)周辺も、オリーブの産地としてイタリアでは有名なところです。なぜ自家農園を持って特産品のキャンティのオリーブオイルを生産しないのか、尋ねてみました
彼の答えはこうでした
「自家農園を持つことは確かに魅力的だけど、人件費などを考えると高価なものになってしまうだろう。高級なオイルはもちろん美味しいけれど、僕はむしろ、オリーブオイルをもっと日常的に、身近なものとして使ってほしいんだよ。イタリア中南部では、せっかく美味しいオリーブが大量に生産されている。だったら、無理に自家農園を持つのではなく、安く買い付けたオリーブを使い、そのぶん手を掛けて質の良いオイルを生産したい。それを適正な価格で、安定的に提供したいんだ」
彼の言うことはもっともです。しかも彼は、自身で中南部イタリアの各オリーブ生産業者を訪問してまわり、信頼のおける複数の生産者の中から、更に厳選して仕入れています。自分で農園を持たなくても、原料であるオリーブに、たいへんなこだわりを持っていることの証です。中南部のオリーブ生産業者の中には、安いオリーブの実を地中海沿岸の周辺国から輸入してイタリア産と偽り、販売している人もいるらしいのですが、彼は100%イタリア産と信頼のおけるものしか仕入れません。イタリアのマンマ達から絶大な支持を得ているマローニ社をささえる、秘密の一端を教えてもらったように感じました。
ところで、マローニ社のラベルには、モンテリッジョーニ(Monteriggioni)のイラストと一緒に、大きく「住所」と「最寄り駅」が入っています。しかも、オイルに名前をつけていないようです。なんとも垢抜けない素朴なデザインなのですが、このラベルは、創業者である彼の父親の時代から変わらないそうです。いつもと変わらないこの黄色いラベルを目印に、イタリアのマンマ達は彼のオイルを買っていきます。私はこのラベルを見る度に、マローニさん達の郷土愛と、自分たちの居場所をはっきり記すことによる、商品への自信と、責任感を感じるのです。「ご不明な点があればいつでもどうぞ。私たちはここにいます」と、言っているようではありませんか。
マローニさんと社員のみなさん
目印は黄色いラベル
オリオ・マローニ社はシエナ近郊の冠の形をした要塞がある山の近くにあります。従業員4名の小さな会社ですが、オリーブオイルを使う人のために細かく小さな工夫がたくさん施されています。

| 社名 | オリオ・マローニ |
| 所在地 | トスカーナ州 シエナ県 |
| 従業員数 | 4人 |
| 創業年 | 1930年代 |
| 主な生産物 | オリーブオイル |
![]() |
| 100%イタリア産 エクストラ・バージン・オリーブオイル |